『ボストン1947』を見てきました。我が推しイムシワンが出てるってことで!
正直、個人的にはスポーツものには興味薄。予告見るからに、最後の結末もなんとなく予想つく感じだし、よくあるありきたりなお話かな?なんて思ってた訳です。
(しかも、他国の歴史上の実話をもとにしたお話。感情移入や共感ができるのかもわからない)
っと、そんな風に思っていた自分にグーパンチを送ってやりたい。
結論、めちゃくちゃ良かったです!
あー、沁みる。最後のレースシーンの余韻で、視聴後しばらく経っても心がざわざわしている。
というのも、映画、終盤のマラソンレースシーンを見ていたら、なぜか身体じゅうから熱いものがじんわり湧き出てきて、心の中でずっとすごいっ、すごいと叫んでた。
いやー、映画館で映画を見てこんな経験は初めて。
そんなことで、ボストン1947の視聴感想を綴ります・・・。
ボストン1947 簡単な紹介
概要
原題 | 1947 보스톤 |
監督 | カン・ジェギュ |
日本公開日 | 2024年8月30日 |
制作国 | 韓国 |
上映時間 | 108分 |
出演 | ハ・ジョンウ/イム・シワン/ペ・ソンウ/ キム・ソンホ/パク・ウンビン |
あらすじ
『ボストン1947』は、1936年ベルリンオリンピックで金メダルを獲得したソン・ギジョンと銅メダルを獲得したナム・スンニョンが、戦後、韓国に戻った後、若き天才ランナーソ・ユンボクと出会い、”韓国代表として記録を残す”という想いのも、ボストンマラソンで優勝を目指す物語。
1947年、韓国がまだ国際的に認知されていなかった時代に、マラソンの国際大会で韓国代表として記録を残すため、さまざまな困難に立ち向かう3人の奮闘を描いています。
『ボストン1947』感想
マラソンを題材にした上質ヒューマンエンタメ映画。
ボストン1947を一言で表すとこういったところでしょうか。
この映画は、マラソンを題材にしながら、1947年独立前の韓国という歴史的な要素を加え、その時代に生きた人々の挫折、葛藤、奮闘、喜びを描いています。
1945年に第二次世界大戦が終戦。韓国は日本の植民地支配から解放されたが、戦後の朝鮮半島は 米ソに分割占領され、北緯38度線を境に、北部はソ連の、南部はアメリカの管理下に置かれていた。
個人的なイメージで、どこか硬くてありがちなストーリーが多い印象だったスポーツモノ。
ボストン1947もストーリーの展開自体はありがちなのだが、展開がスピーディーで、適度に笑えるポイントや、ぽっこりとさせられるポイントなど、エンタメ要素がしっかり盛り込まれているので、中だるみなく、飽きずに楽しました。
個人的には、
- ボストン行きの飛行機の中でキムチ食べてるシーンや、コーラを飲んでいるシーン
- ユンボクが間違えてトイレで顔を洗うシーン
- 3人がホテルのベットでぴょんぴょんと跳ねているシーン
なんかは、旅の珍道中感がおもしろおかしく感じられて、楽しかった。
重い歴史要素をベースにしながらも、ちゃんとエンターテーメントに消化しているので、とっても見やすかったです。
歴史に疎い私のような人でも大いに楽しめましたし、実際に韓国と日本の間ではこのような事実があったのだという知るきっかけにもなるのではないかと思います。
祖国代表として挑む意味とは?
自分の国の国旗すら自由につけることができない時代があったなんて、この映画を見るまでは考えもしなかったです。
ソンギジョンはベルリンオリンピックで金メダルを獲った時、どんな想いで日の丸を隠したのだろう・・・。
戦争も知らない平和な時代に生まれた私は、祖国の国旗を背負うことすら許されなかった人々の気持ちがどれほど辛いものだったかは容易には計り知ることはできない。
愛国心という言葉にピンとこない平和ボケした私にとって、なんとしてでも韓国代表として大会に出たいという気持ちを100%理解することは難しかったです。
しかし、韓国代表としてユニフォームに太極旗を刻みたいという気持ちを、大会関係者に必死で訴えるソンギジョン、ナムスンニョン、ソ・ユンボクの三人の姿からは、人には決して捨てていけないプライドがあるということに気付かされます。
そのプライドや、アイデンティティー守るための意地、その思いが胸にズシンと響きました。
平和があるからスポーツができる。
いつの時代もスポーツには、いかなる種類の差別も受けることがない平和の象徴として存在してほしいと願わずにはいられないです。
語らせて、我が推しイム・シワン。
この映画のハイライトシーンはまさに、映画後半のレースシーンと言えます。
私はこの15分ほどのシーンに大きな衝撃を受けました。見てるだけで、身体中がじんわりと熱を帯びてくるんです。
そんな大会レースシーンで一番のメインとなるのがソ・ユンボクなのですが、ユンボクを演じているのが、イム・シワン!
イム・シワンすごい。我が推しなので、もちろん贔屓目線も大ありですが、ただ、走っているだけでここまで人を熱くさせ、感動させられるって、演技超えて役者というより、もはや本物のアスリート!?
軽やかだけど、力強く、かつ美しく走る姿は、見る者を物語の中にぐいぐい引っ張ります。
ただただ真っ直ぐに前だけを見ている視線、ゴールに向かってひたすらに足を進める姿、息づかいまでもが本物のランナーのよう。
”最愛の母親のためにも韓国代表として1位になる。最後まで絶対に諦めない”
セリフは一言も無いにも関わらず、ユンボクからは、そんな想いが伝わってきます。
いろんな想いが駆け巡って涙、涙、涙。
この映画のために一体どれだけ彼は努力したのだろう。
カン監督の「この映画は本物のマラソンランナーに見えなければこの映画を信じることができない」という想いに、身を砕いて答えたイムシワンには、鬼の役者魂を感じずにはいられない!!
レース中、ユンボクのペースメーカーとしてユンボクをそばで励ましたナム先輩、居ても立ってもいられずに、ユンボクのそばに駆け寄るソン・ギジョン、そんな2人の気持ちに応えるように懸命に走るユンボク。
3人それぞれの、このマラソン大会に賭ける想いが伝わってきてジーンと来ました。
この映画、本当にこの15分だけでも見る価値ある。というか絶対見た方が良い。って感じるくらいすごいシーンになってます。
まとめ
- 歴史ものとしては、分かりやすく理解しやすい物語
- 男3人のわちゃわちゃボストン旅行記
- 見終わった後の満足度が半端ないマラソンレースシーン
- 前半の展開が早すぎてやや詰め込み感あり
この映画は日本代表としてメダルを取ったソンギジョン、ナム・スンニョンが、祖国を代表して、記録を残したい。として、若きランナーソ・ユンボクを通して、その夢を叶えるために孤軍奮闘する物語であります。
この映画の伝えたいメッセージは、”自分の国の国旗すら自由につけることができない時代があり、自国代表として国際大会に出場するために懸命に戦った人たちがいる。”ということだと思うのですが、私がこの映画を見て感じたことは、もっと自分たちにとって身近なことです。
”最後まで諦めない気持ちが奇跡を生む”
膨大に必要とされた保証金を集めて、ボストン大会へ出場するまでの道のり。
規則で決まっているにも関わらず、熱い想いで大会主催者を説得して、太極旗をつけて走るまでの道のり。
予期せぬアクシデントに見舞われながらもゴールを目指して最後まで走り抜く道のり。
それら全てに絶対に諦めないという気持ちがあり、その気持ちを持つことでいろんな困難をも越えられるのだということを感じました。
韓国映画ということもあり、日本での上映館は少なく、私が入った劇場もお客さんは数人という状況でとても残念です。
こういう映画こそ、もっともっといろんな人に見てほしいなと思います。
シンプルに胸を打つ何かがこの映画にはあります。
ボストン1947、面白いです!
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